同じ株屋の市村商店に「手代」として入り、「歩合」が貰えるようになったので母を養い、父にも仕送
りが出来るようになる。このころ友達に出会い、この友情は元一
生涯の財産となる。が、体の弱さから市村商店も暇をとる。
兜町に奉公してから満三十年。夢にも忘れなかった生家の復興をはかり、雑木と桑畑になっている旧跡地九千二百平方メートルを買いもどした。
建物は長屋門の他、東棟、邸宅を記念館に西棟の三棟からなり、それぞれ廊下で連絡している。
敷地の一角に建つ美術館は記念館とはまったく趣を異にした白
亜の近代建築で、遠山元一が長年にわたって収集した美術品を一
般に公開するため一九七〇年に開館した。